アティフ・ミアン&アミール・サフィ(岩本千晴訳)『ハウス・オブ・デット』(東洋経済新報社)の邦訳の誤りについて
Published:
ここでは、東洋経済新報社から出版されている、Atif Mian and Amir Sufi, ``House of Debt’‘の邦訳について、誤りと思われる箇所を指摘する。
さしあたり記憶に残っている以下の2点を指摘するが、その他の誤りについては見返して(再)発見し次第書き足すこととする。
- P.64 「第一に、大惨事が発生して生産力を破壊しても、それが景気後退を誘発することはない。」
- 原文では``First, severe recessions are not initiated by some calamity that destroys the productive capacity of the economy.’’ となっており、これは「第一に、深刻な景気後退は経済の生産力を破壊するような大惨事によって引き起こされるのではない。」のように訳されるべきである。
- P.248 「〜コロラド大学のエミ・ナカムラとジョン・スタインソンによるもので、〜」
- エミ・ナカムラとジョン・スタインソンはコロラド大学に在籍したことはない。原著出版当時にはコロンビア大学に在籍しており,その誤りと思われる.